石油コンビナートの中に、高速道路、遊園地、公園などの不特定多数が利用する一般施設を設置するようなケースがあります。このような場合には、石油コンビナートで発生する災害が一般施設に与える影響や、逆に一般施設で発生する災害(交通事故による火災等)が石油コンビナートに与える影響を把握し、相互の安全性を確保する必要があります。
コンビナートの事業所において、老朽化したプラントの更新や、新しくプラントを建設する必要性が生じる場合があります。このとき、法令規制に基づいた安全設計を施し各種の防災設備を設けることはもちろんですが、万一災害が発生したとき周囲に与える影響の評価を行い、安全対策に万全を期すことが望ましいと言えます。
このような安全性評価を目的として防災アセスメントを実施する場合、対象プラントを細かく評価する必要があるため、例えば、調査の前段でブレーンストーミングを実施するなどしてプロセスの潜在危険性を評価し、評価対象施設・災害を特定します。調査の後段では、評価対象施設・災害について、消防庁の指針に示された手法を適用し、災害の発生頻度や影響の評価を行います。
また、ガス拡散解析等の影響評価のみを行う場合もあります(詳しくはお問い合わせ下さい)。
当センターでは、これまで石油コンビナートにおける防災アセスメントを数多く受託・実施してきた実績を活かし、石油コンビナート内の一般施設やプラントの設置主体である地方公共団体や民間企業などからの委託を受けて、防災アセスメント等を実施しています
石油コンビナート区域内への施設や道路の新設等に伴う防災アセスメント
実施年度 | 事業名 |
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平成元年 | 川崎縦貫道路(1期)コンビナート防災対策検討調査(首都高速道路公団湾岸線建設局) |
平成2年 | 新潟港道路危険物施設隣接部分防災対策調査(運輸省第一港湾建設局) |
平成4年 | 宇部・小野田地区特別防災区域を通過する高架道路の設置に伴う防災アセスメント調査(山口県) |
平成4年 | 徳山・新南陽地区特別防災区域を通過する高架道路の設置に伴う防災アセスメント調査(山口県徳山市) |
平成4年 | 大阪湾岸線長田地区防災安全対策調査(神戸市) |
平成7年 | 堺第2区工業用地を通過する道路の設置に伴う防災アセスメント調査(新日本製鉄堺製作所) |
平成10年 | 新名古屋火力発電所地域開放施設に係わる防災アセスメント調査(中部電力株式会社) |
平成18年 | 岩国港道路防災アセスメント(国土交通省中国地方整備局宇部港湾事務所) |
平成21年 | 水島港水島玉島地区臨港道路防災アセスメント業務(国土交通省中国地方整備局宇野港湾事務所) |
平成22年 | 川崎港臨港道路東扇島水江町線防災アセスメント業務(国土交通省関東地方整備局京浜港湾事務所) |
プラントの新設等に伴う防災アセスメント
実施年度 | 事業名 |
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平成6年 | 重質油脱硫分解装置建設計画に係る防災アセスメント調査(東燃株式会社) |
平成9年 | 石油ガス化・エネルギー供給事業計画に係わる防災アセスメント調査(ゼネラル石油株式会社) |
平成10年 | エネルギー供給施設建設計画に係わる防災アセスメント調査(東亜石油株式会社) |
平成16年 | LNG冷熱利用設備安全性検討(関西電力株式会社) |
平成17年 | 防災アセスメント業務委託(JFEエンジニアリング株式会社) |
平成18年 | 吉の浦火力発電所LNG設備安全性調査結果に係る評価(沖縄電力株式会社) |
平成18年 | 川越火力発電所LNGタンク増設に係る防災アセスメント業務(中部電力株式会社) |
平成19年 | 上越火力発電所LNG基地防災アセスメント業務(中部電力株式会社) |
平成21年 | 防災アセス評価の実施(南西石油株式会社) |