石油コンビナート等特別防災区域では、防災計画を策定して毎年検討を加え、必要に応じて見直すことが義務付けられています。
防災計画の策定にあたっては、コンビナートで起こりうる災害の形態、規模、影響範囲などを把握すること、すなわち災害の想定(防災アセスメント)が不可欠となることから、消防庁は「石油コンビナートの防災アセスメント指針(平成6年制定、平成13・25年改訂)」を示すとともに、科学的知見に基づく評価の実施を推進しています。
イベントツリー解析の概念図
消防庁の指針では、イベントツリー解析(Event Tree Analysis : ETA)を用いた確率的なリスク評価手法が示されています。確率的評価が適当でない事象、あるいは適用困難な事象については、確定的または定性的な手法による評価を行います。
東日本大震災では、石油コンビナートにおいて津波による危険物等の漏えいや火災、高圧ガスタンクの爆発火災などの被害が発生しました。また、その後製造プラントにおいて、石油コンビナートの区域外に影響を及ぼすような事故が発生しています。
このような状況を踏まえ、消防庁では平成24年度に調査研究会を設置し、消防庁指針の見直し等の調査研究を行うこととしました。当センターでは、指針改訂に係る調査検討を受託し、平成25年3月にその成果をとりまとめています。
消防庁指針の主な改訂内容
当センターでは、消防庁指針に基づく石油コンビナートの防災アセスメントを実施しています。調査事項及び標準的な調査期間は以下のようになります。
3~4ヵ月 [評価準備] |
6~7ヵ月 [評価の実施] |
1~2ヵ月 [評価結果のとりまとめ] |
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※調査期間はコンビナートの地区数、評価対象施設の種類と数などによって異なり、概ね12ヵ月程度となります。
総務省消防庁:石油コンビナート防災アセスメント指針改訂のための調査検討
実施年度 | 事業名 |
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平成10・11年 | 石油コンビナートの防災アセスメントに係る調査研究 |
平成12年 | 石油コンビナート防災アセスメント実施の推進に関する調査研究 |
平成24年 | 石油コンビナートの防災アセスメント指針の改訂に係る調査検討 |
平成30年 | 石油コンビナート等防災計画及び防災訓練に関する調査・検討 |
地方公共団体:石油コンビナート等防災計画における災害想定
実施年度 | 地方公共団体 | 実施年度 | 地方公共団体 | 実施年度 | 地方公共団体 |
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平成4年 | 茨城県 | 平成8年 | 三重県 | 平成8年 | 大阪府 |
平成9年 | 宮城県 | 平成15年 | 香川県 | 平成15年 | 大阪府 |
平成16年 | 北海道 | 平成16年 | 宮城県 | 平成17年 | 神奈川県 |
平成18年 | 静岡県 | 平成19年 | 愛媛県 | 平成19年 | 沖縄県 |
平成19年 | 佐賀県 | 平成19年 | 北海道(石狩地区) | 平成19~20年 | 福島県 |
平成20年 | 青森県 | 平成20年 | 山口県 | 平成21年 | 千葉県 |
平成24年 | 岡山県 | 平成25年 | 新潟県 | 平成25~26年 | 香川県 |
平成26年 | 福岡県 | 平成26~27年 | 千葉県 | 平成27年 | 沖縄県 |
平成27年 | 青森県 | 平成28年 | 福島県 | 平成29年 | 秋田県 |
令和5年 | 新潟県 |
その他(特別防災区域の指定のための基礎的調査)
実施年度 | 事業名 |
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平成10年 | 川崎市臨海部地域防災性向上に関する調査(神奈川県川崎市) |