近年の多くの災害を契機に、防災・減災のためのさまざまな取組みが考案され、全国各地で実践されているところです。防災図上訓練については、その必要性が強く認識され、図上シミュレーション訓練、災害図上訓練DIG、避難所HUGなどが生まれてきました。今後、多くの方々がこうした防災図上訓練に参加し、防災・減災に関する知識や技能を身に付けていくことが期待されます。
当センターでは、消防庁からの受託研究をはじめ、これまで防災図上訓練に関してさまざまな角度から調査研究に取り組んで参りました。また、市町村防災研修事業の一環として、数多くの防災図上訓練を実施してきました。こうした実績を踏まえて、地方公共団体や企業(事業所)の行う防災図上訓練を支援しています。
当センターで受託できる防災図上訓練の主なものは、次のとおりです。
タイトル |
対象 |
内容 |
災害対策本部運営訓練(対応型) |
一般職員、 |
コントローラー(統制担当)から様々な災害情報を提示し、プレーヤー(各対策部にわかれる)が整理・分析・判断しながら対応していく訓練。本部会議も同時に実施。 |
災害対策本部運営訓練(討論型) |
一般職員、 |
各対策部にわかれて、初動時の各対策部の役割や課題、事前に行うべきこと等テーマを設定して、それについてじっくり議論し方策を検討する訓練。 |
避難所運営訓練 |
一般職員、 |
避難所HUG等を用いて、避難所開設・運営時の課題・問題点、今後の方策等を検討。講評では、実災害での避難所運営の実態や課題、近年の避難所運営の取組などを解説。 |
災害図上訓練DIG指導者養成研修 |
自主防災リーダー、 |
自主防災リーダーや消防団員が、地元の一般住民向けに災害図上訓練DIGの進行役を行うためのスキルを身に着ける研修。 |
自主防災リーダー向け図上訓練 |
自主防災リーダー |
リーダーとしての災害時の行動スキルの向上を目的に行う図上訓練。 |
※その他、予算に応じてアレンジすることも可能です。
(例)「BCPを検証するためのワークショップ」「受援計画に基づく図上訓練」等
年度 | 地方公共団体名 |
---|---|
平成24年度 | ・愛知県豊山町 ・和歌山県新宮市 |
平成25年度 | ・鹿児島県いちき串木野市 ・愛知県豊山町 ・千葉県浦安市 |
平成26年度 | ・山形県山形市上下水道部 ・奈良県川西町 ・長崎県大村市 ・愛知県豊山町 ・新潟県村上市 |
平成27年度 | ・茨城県河内町 ・愛知県豊山町 |
平成28年度 | ・長崎県大村市 ・愛知県豊山町 ・愛知県愛西市 ・広島県(県内1 市【土砂災害対応】) |
平成29年度 | ・広島県(県内5 市町【土砂災害対応】) ・愛知県豊山町 ・滋賀県長浜市 ・愛媛県砥部町 ・大分県杵築市 ・沖縄県豊見城市 |
平成30年度 | ・広島県(県内5 市町【土砂災害対応】) ・滋賀県長浜市 ・長崎県大村市 |
令和元年度 | ・広島県(県内4 市町【土砂災害対応】) ・広島県(副市町長セミナー) ・佐賀県市町村振興協会 ・宮崎県市町村振興協会 ・滋賀県長浜市 |
令和2年度 | ・広島県(県内5 市町【土砂災害対応】) ・佐賀県市町村振興協会 |
令和3年度 | ・広島県(県内1 市【土砂災害対応】) ・佐賀県市町村振興協会 ・福井県美浜町 ・岐阜県大垣市 ・滋賀県長浜市 ・広島県廿日市市 ・長﨑県大村市 |
令和4年度 | ・広島県(県内1市【土砂災害対応】、県内5市町【受援訓練】) ・福島県三春町 ・埼玉県鶴ヶ島市 ・東京都品川区 ・愛知県豊山町 ・広島県呉市 ・広島県三次市 ・広島県廿日市市 ・福岡県大牟田市 ・長崎県大村市 |
令和5年度 | ・広島県(県内6市町【受援訓練】) ・茨城県下妻市 ・東京都品川区 ・愛知県豊山町 ・広島県呉市 ・広島県廿日市市 ・広島県東広島市 |
年度 | 地方公共団体名 |
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平成24 年度 | ・埼玉県(自主防災組織リーダー) ・長崎県長与町(自主防災組織) |
平成25 年度 | ・福岡県(消防団員) |
平成26 年度 | ・福岡県(消防団員、消防団員OB、防災士等) ・富山県(自主防災組織リーダー) |
平成27 年度 | ・福岡県(消防団員、消防団員OB、防災士等) ・富山県(自主防災組織リーダー) |
平成28 年度 | ・富山県(自主防災組織リーダー) |
平成29 年度 | ・富山県(自主防災組織リーダー) |
令和4年度 | ・広島県呉市(防災リーダー) |
令和5年度 |
・福島県三春町(防災リーダー) ・広島県呉市(防災リーダー) |
適時適切な判断を行うためには、スムーズな情報収集が必要ですが、そのためには災害対策本部運営訓練が重要となってきます。災害対策本部運営訓練は、実際の災害に近い場面を設定し、様々な状況を訓練参加者に与え、災害対応を促す図上訓練のことです。
訓練はシナリオに基づいて、コントローラーにより進行されますが、プレーヤー側にはシナリオは公開されません。
①訓練はコントローラーとプレーヤーにわかれて行います。コントローラーは訓練企画者が中心に担当します。プレーヤーは首長や幹部職員、一般職員を含めた訓練参加者となります。
②コントローラーは、状況付与票などを用いて、プレーヤーに対して刻々と変化する災害状況を通知し、プレーヤー側に対応を求めていきます。
③プレーヤーは、各対策部にわかれて、コントローラーから与えられる情報を整理し、その情報を分析し、分析結果に基づき状況判断を行います。さらに、必要なときは関連部署や関係機関に依頼するなど、災害対策を実施します。
④コントローラーに対応結果の報告を行います。
※①~④の流れを繰り返しながら、災害対策本部の運営を進めていく訓練です。同時進行で災害対策本部会議も行います。また、訓練終了後の振り返り・講評も実施します。訓練は半日~1日を予定しています。
実施市町村の防災体制を踏まえて、訓練中に当センターで評価を行い、明らかとなった課題・問題点及び解決策について、講評コメントとしてご提示します。
自治体の規模、企画・準備の作業量によって変わります。実施をご検討される場合は、一度ご連絡ください。
避難所HUGの内容について、映像で紹介いたします。